「あなただけの特別な香り、お作りいたします」

新たにオープンした「Olfactive Labo（オルファクティブ・ラボ）」は、“感情を生み出す香りと、癒しのセラピー”をコンセプトに、調香師が香りを作るだけではなく、香りを利用した心理セラピーを行っている。

都築ハヤトは無気力で無口な、どこかミステリアスな雰囲気を持つ調香師。

ある夜、たまたま立ち寄ったコンビニで高校時代同級生だった女性と再会する。

ハヤトは久しぶりに会った彼女が疲れ切った様子なのが気にかかり、自分の店へと誘う。

上司からのパワハラに悩まされているという彼女に、ハヤトは心を楽にできる香水を作ることを提案する。

しかし、7年ぶりに会話をした二人にはお互い複雑な感情が生まれていた。

それは高校時代のとある出来事が原因で――。

「何も考えず身を委ねてな。

俺が連れてってやるよ、抜け出せなくなる堕落の沼へ」