「あなただけの特別な香り、お作りいたします」

新たにオープンした「Olfactive Labo（オルファクティブ・ラボ）」は、“感情を生み出す香りと、癒しのセラピー”をコンセプトに、調香師が香りを作るだけではなく、香りを利用した心理セラピーを行っている。

店長の春瀬イツキは、頭の回転も速く気遣いができ、周囲からも尊敬されている調香師。

そんなイツキの前に新規の女性客が現れる。

閉鎖的な田舎の集落から上京し仕事に励んでいるが、慣れない都会での生活に疲れてしまったという彼女に、心を浄化できる特別な香りを作ると約束するイツキ。

セラピーを通して自らの心の闇をとりのぞいてくれるイツキに彼女は惹かれていく。

そんな彼女に甘い言葉で応えるイツキだが、その反面決して心の中は覗かようとせず、次第に二人の間に摩擦が生じ――。

「一生懸命にもがいて生きる不器用な君を見ていると、

この手の中に閉じ込めてみたくなる」